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パイソンの戯言 -You Can't Judge A Book By The Cover-

THE PYTHONSギター吉井浩平のブログ。

BLUES SESSIONって?面白いの?

第1章 : ブルース・セッションの魅力って?

セッションなんかで、「今日俺のソロバッチシ決まったのに全然反応無かったわ」

「ソロはなんとなく弾けたけど、ソロ以外の時に居場所無かったわ」と感じている人はいませんか?

そんな人たちは、視点を変えてみれば状況が好転するかもしれません。

 

そもそもブルースって?

B.B.キングアルバート・キング、フレディ・キングのいわゆる3大キング、

バディ・ガイ、オーティス・ラッシュ、

あるいはエリック・クラプトンスティーヴィー・レイ・ヴォーンジョン・メイヤーといった人たちの弾くギターに魅了されて、ブルースの世界に興味を持った人たちも多いと思います。

 

彼らのギター・ソロに憧れてたくさん練習した、というギタリストも多いでしょう。

 

もちろん上記の偉人たちはスーパースターであり、ブルースの魅力の大きな一要素であることに間違いはないですが、

 

「凄いソロを弾いている!」という一面だけを捉えてしまっている人もいます。

 

ロックやファンク、レゲエと同じく、ブルースもバンド全体でビートを奏でることに変わりはありません。

 

ということは、ギターも一曲を通して常にビートに貢献していなければならないのです(音を出し続けていなければならないという意味ではありません)。

 

あなたがそのセットにおいて良いパフォーマンスをしたいと思った時に各パートの貢献が必要なように、各パートの共演者にとってもあなたの貢献が必要なのですね。

 

つまりそのセットはあなたの運命共同体なのです。

あなたが参加したセットがフロアに受けている時、

それはあなたが受けたのと同じなのです。

 

逆に言えば、「あのセットは面白くなかったけど、ギターのソロだけは良かった」ということはないのです。

 

バンド全体で跳ね上がるブルース・ビートを共有して、その中に起こるフロア・ステージ間、又は演奏者間のコール&レスポンスがさらにグルーヴを増幅し、その連続がイベントの熱を上げていく。

 

これを一度体感すれば、あなたはもうブルースから離れることができないかもしれません。

 

第2章 :「参加したことあるけど楽しくなかったよ?」「ハマった時期もあるけど飽きたわ」

 2017年現在でもブルース・セッション・イベントは全国各地にあります。

 

夜な夜な行われる各地のセッション会場で腕を磨き、また、人脈を広げ、自分の世界が広がっていく。

 

セッション・イベントの大きな魅力です。

 

長年大きな盛り上がりを見せ続けるセッション・イベントもあれば、

 

残念ながら衰退の一途を辿るイベントもあります。

 

人が離れていくセッション・イベントとは

プレイヤーやお客さんがあまり集まらないセッション会場では、各リード楽器が”ソロ待ち状態”になっているセットが多いです。

 

いわば、曲が蔑ろにされ、リード楽器のソロ合戦場と化している状態を指します。

 

極端な例になると、ギターが自分のソロに陶酔しきってリズムを弾かず、またアンサンブルにもほとんど参加しないことさえあります。

 

こうなると、

  1. 歌がソロ間のつなぎ的役割になり下がる。
  2. うわものと絡まないリズム・セクションはバック・トラック化する。
  3. セット全体でのグルーヴが死に、曲が死ぬ。

 

セッション・イベントとしては、

  1. リード楽器のソロが中心となり、ソロ以外の場面が退屈になる。
  2. ソロをしやすいスロー・ブルースが多くなる。
  3. ソロの時間が増え、そのために一曲が長尺になる。
  4. 歌い手やリズム隊が蔑ろにされイベントから離れていく。
  5. 1.に戻る

 

このような負のループが生まれてしまいます。

 

こういう磁場の中でセッションを楽しむことが出来ず、離れていった人もいるでしょう。

 

しかし、第1章で触れたように、ブルースの楽しさはロックやファンク、レゲエと同じように、バンド・サウンドとしての一体感にこそあります。

 

「Stormy Monday Blues」「Thrill Is Gone」をやりたいとなった時に、

曲を楽しむためにやるのか、ギターを聴いてもらいたいためにやるのか、

そこに大きな違いが生まれるのです。

 

逆に言えば、曲を楽しんで、曲の中にいれば、ソロに終始していても他者に訴えかける演奏ができると思います。

 

実際、アルバート・キングの様な人は献身的なバッキングが無くても、ワンフレーズで圧倒的な説得力を生んでいます。

 

革新的な演奏家のプレイさえ、曲の枠からはみ出ているのではなく、枠を拡げている。

 

そう思います。

 

リスナーが基本装備していて、プレイヤーに不足しがちな「曲を楽しむ」ことにこそ、セッションの醍醐味があると伝えたいです。

 

第3章 : 曲を楽しもう(動画あり)

 

バンド全体のグルーヴを楽しめるような、いくつかのオススメ動画(完全に僕の独断と偏見)をチョイスしてみました。

 

「これからブルース・セッションに参加してみたい」という人から、

「あまり楽しめなかったけどもう一回挑戦してみようかな」、

はたまた、「俺っちはブルースの虜だいっ!」という人まで楽しむことができる動画集だと思います。

 

お客さんが踊り狂っていたり、

 

一緒になって歌っていたり、

 

叫び声が会場を埋め尽くす

 

そんなブルース・ライブの持つ本来の力に触れることで、何かしら感じることがあればと思います。

 

1. Juke (George Harmonica Smith)


George Harmonica Smith juke

 リトル・ウォルターさんで有名な定番インスト「Juke」ですね。

強烈なイントロでいきなりノックアウトされました。後はひたすらゴングを待つだけ。もう記憶すらありません。

ここでのジョージ・スミスさんのハーモニカは凄いインパクト。

強烈なシンコペーションがバンド全体を牽引して、フロアが完全に湧き上がっている。

 

ギターのインプロビゼーションの為の音楽という風にブルースを捉えると忘れてしまいがちですが、ダンス・ミュージックとして強力に機能するブルースの醍醐味を見ることができます。観客の熱狂ぶりが凄まじいです。

 

2. Going To Mississippi (Magic Slim & The Teardrops)


Magic Slim & the Teardrops - Going to Mississippi

 定番のシャッフル・ビートが聴けます。ツイン・ギターの絡み合いが一曲を通して気持ちいい。リズム・セクションだけでなく、ギター・バッキングも一体となってガッコガッコと刻む中で、徐々にそのループ感が中毒性を帯びてくる。ハウス・ミュージックに負けないブルースの中毒感。

ギターのソロ・プレイもそのリズムの中で歌っています。

リズムの中でプレイすることがいかに大切かが分かります。観客も縦に横に揺らされています。

コーラス・ワークも楽しいです。

 

3. Sweet Home Chicago (John Primer)


JOHN PRIMER - "Sweet Home Chicago"

 これまた必要不能な有名曲。少しブルースをかじったことがある人なら、誰でも知っている曲ですよね。多くの人がこの曲をやっています。

  

ここでのジョン・プライマーさんは全てが圧倒的です。特にウォーキング・ベースのリズムの立ち方がエグいです。

まさにシャッフル・ビートの魅力を余すところなく見せつけてきます。

 

ここで2曲続けて、歩くようなテンポのシャッフル・ビートをお届けしていますが、このビートの持つ中毒性にやられてきたと思います。

 

ブルースの持つこのループ性が、ただの夜から時間の感覚を取り払い、特別な夜へと導くのです。

 

歌の観客との掛け合いが素晴らしい。

この場にいたら、どんなに楽しかっただろう。

 

4. Long Distance Call (Muddy Waters


Muddy Waters ~ Long distance phone call

 御大マディ・ウォーターズさん。シカゴ・ブルースのドンです。ハーモニカのジョージ・スミスさんを始め、メンバーの緊張感が凄い。

マディさんの一挙手一投足を見逃すまいといった様な。

 

まさに「ブルースはパンク」です。

 「俺だよ、文句あっか?選ぶも捨てるも俺次第だよ」てな具合です。

 

と言っても、歌の内容は

俺のこと愛してるって言ったじゃん

電話かけてきてくれよー

なあ、好きって言ったじゃん

お願い!電話して、電話!

声聞かせてくれたらさ、落ち着くからよ

 

いつか、ちゃんとした男になるよ?

ほんとほんと、ちゃんとしたやつになる

キャディラックだって買ってやるさー

「あなただけよ♡」て言ってくれたらね

 

お、ほらほら、電話が鳴ってる

ほおら、きっとあの娘からの電話に違いないぞ

 

ん?なんだって?他のラバがお宅の馬屋で暴れてるって

 

 

という情けない男の歌(笑)

 

最後に圧巻のエンディングを迎えて曲は終わります。

 

よくセッションで「ケツ始まりで」という言葉で曲を始めることがあります。

12小節の進行の9小節目、いわゆるドミナント(五度)から始めますよ、という意味なのですが、

セッションではこの入り方を失敗するセットをしばしば見ます。

 

ダウンホーム・ブルースでは割と定番の形なので、これは覚えた方が良いです。

5. High and Lonesome (Kim Wilson & Jimmie Vaughan)


Jimmie Vaughan & Kim Wilson - High and Lonesome

 ファビュラス・サンダーバーズで知られるキム・ウィルソンさんとジミー・ヴォーンさんのコンビ。

ジミーさんはスティーヴィー・レイ・ヴォーンさんの兄としても知られています。

 

これを見る限り、ブルースをやるのに必ずしも「黒人であること」が重要な訳ではないことが分かります。アメリカの黒人文化の中で生まれたブルースですが、音楽の持つ力は人種を超える、ということです。

 

要はそれが好きか嫌いか。魅了されているかどうか。

 

でなければ、白人達はもちろん、日本人である僕達も、ブルースをやることがそもそも時間の無駄、ということになりますから。

 

ちなみに、このジミー・リードさんの曲(High and Lonesome)は所謂「ミディアム・シャッフル」(と呼ばれることが多い)リズムで、ブルースでは割と定番のリズム・パターンの一つです。

 

しかし、一般に「シャッフル・ビート」と「スロー・ブルース」という2つのパターンに比べこのリズム・パターンは認知度が低いのか、セッション・イベントでこの「ミディアム・シャッフル」のパターンをやると、どうしても三連の「スロー・ブルース」になってしまう傾向があります。

 

「ミディアム・シャッフル」一度ハマると抜け出せない魅力があるのです。

 

噛めば噛むほど味が出るスルメのような。

 

番外編:Gangster of Love (Johnny "Guitar" Watson


Johnny ''Guitar'' Watson - Gangster Of Love

 

ここまで、長文にお付き合いありがとうございました。

 

最後に、個人的な考えを書きます。

 

僕は、うんちくやスタイル云々をあまり人に押し付けようとは思いません。

 

ここでのジョニー・”ギター”・ワトソンさんの様に、

奇人変人、個性極まりないスタイル、めっちゃ大好きです。

 

ファズ・ギターだって最高、ワウもディレイも最高。

 

カッコよかったらそれが答えだと思います。

 

要はその演奏がバンドと曲を良くしているか否か、それだけだと思います。

 

ジミヘンさんのギターがかっこいいのは、あの演奏がバンドをスリリングにし、曲をさらにカッコよくするから。

 

「お前は誰だ」という問いへの「俺は俺だ」というシンプルな答え。

 

それこそが表現理由。

 

「お前、違うわ」ってのもあっていい。

 

要は、ソロや楽器云々で捉えるのではなく、グルーヴの中で自己表現をすること。

 

「こうでなければならない」という磁場から積極的に離れていくブルースの魅力や楽しさを感じてもらえたら、と思います。

 

 

THE PYTHONS Night -Blues Live & Session-

僕たちTHE PYTHONSはライブ&セッション形式のイベントをやっています。

 

the-pythons.hatenablog.com

 上記リンクにあるように、セッション・タイムあります。

 

ブルースの持つループ性が、ただの夜から時間の感覚を取り払い、特別な夜へと導く。

 

是非、遊びに来てください!共にブルース・ナイトを楽しみましょう!

 

『The Pythons Night vol.2 - Blues Live & Session -』

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場所:神戸acoz
日時:2017年8月12日(土)
18時30分オープン
19時30分ライブスタート
料金:1,500円(1ドリンク付き)

二部構成
1st. stage - THE PYTHONS Live
2nd. stage - Blues Session

 

ご予約はバンドのホームページ、facebookページTwitter

もしくは、お店に直接ご連絡ください。

 

thepythonsblues.wixsite.com