2018.6.8大阪南森町シカゴロック『 THE PYTHONS vs Blues Macomba』あとがき(吉井浩平の散文その6)
雨の日とブルース
6月8日(金)は大阪南森町にあるブルース・バー、シカゴロックでライブだった。
THE PYTHONSにとっては去年から定期的にライブをさせてもらってる、居心地の良いお店である。
当日は午後からひどく雨が降っていて、南森町に着いても雨は止む気配がなかった。
しかし、雨とブルースは相性が良いのである。(と勝手に僕が言ってるだけである。)
じめじめする日は楽器にとっては良くなさそうなものだけど、ブルースをやるには良い音が鳴ってくれる(気がする)。
なので、雨の日のお客さんは良いライブを堪能することが出来るのだ。
Young Boy Blues
今回の対バンはBlues Macomba(ブルース・マコンバ)
フロントマンのトシ森内氏とギタリストのプロフェッサー平山氏のお二人はかつて“ブルース・ダウンステアーズ”というバンドで長年活躍されていた、いわばレジェンド。僕たちにとっても憧れの人達。
リズム隊は関西ブルース界の名プレイヤー、ベーシストの松田“ゑびす”隆氏と元キング・ブラザーズのドラマー、高野太一氏。
豪華な対バンである。
しかも、バンドの入りと共に客席に現れたのは元ロッキンチェアーのギタリスト、浜田氏。これまた、レジェンドである。
ビッグサプライズ。
どの方も全く気取った雰囲気のない人達ばかりなので、リハーサルは終始和やかな雰囲気だった。
ライブはありがたいことに満席。雨にも関わらず駆けつけてくれた皆様に感謝感謝。その中に、かつてのTHE PYTHONSのステージを見続けてきてくれた懐かしいお客さんの姿もあって、これまたビッグサプライズ。嬉しい再開でございました。
スタートはBlues Macombaから。
ブルース・ダウンステアーズ時代からほぼ変わることのない楽曲達に、今のリズム隊だからこそ成せる気の効いた新しいアレンジ。
やはりバンドなのである。
リハーサルを重ねて練り上げられたバンドのグルーヴがあって、このメンツでしか出せないというBlues Macombaの音を提供してくれていた。
いぶし銀のプロフェッサー氏、いつにもまして調子の良いトシ氏、客席は大盛り上がりでした。
その後は僕たちの出番。マコンバの盛り上がりの後、僕たち大丈夫?と少し思ったけれど、持ち前のマイペースさを発揮して、マコンバの作ってくれた良い雰囲気に乗っかり、楽しませてもらった。
この日はゲストとして、木寺“ぱやし”聖子に一曲登場してもらった。
聖子さんの歌と朗らかさが客席にも届いたようで、会場は大コール&レスポンス大会に。
やはり歌は強い。
聖子さんありがとう。
アンコールにはマコンバからトシ森内氏とゑびす氏、そして客席でビールを煽り続けていたレジェンド、浜田氏も引っ張り出して贅沢なセッションでお開き。
良い一日でした!
レジェンドのお三方は僕にとっても憧れのスーパースターで、ブルース・バンドの魅力を教えてくれた方々。久しぶりの再開だったけど、やっぱりやっぱりかっこよかった。
この人達のステージを初めて観たときから僕も十何年経つけれど、全然追い付いてなかった。
ガッコガッコとブルースをやり続けて、少しでも近づきたいと、改めて思った。
それにしても、日本人でもおっちゃんになったらみんなブルースマンみたいな顔になるのかな?
R.L.Burnsideみたいなおっちゃんや、Junior Kimbroughみたいなおっちゃんや、Hound Dog Taylorみたいなおっちゃん。
この日のシカゴロックがミシシッピのジュークジョイントのような雰囲気だったのは、何人かのブルース顔の人達のせいもあっただろう。
ブルース顔ブルースマンてな言い方があったが、やはりブルース顔のブルースマンは特である。